2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アクセルとブレーキ

車校に通い始めて6日目になる。 車校の帰り道はいつも新しく交通法規をおぼえたばかりだから、急に世界の情報量が増える。みんなわたしの知らない世界で生きてたんじゃん、ずるい!と思う。仲間入りできてうれしくて、スクールバスの前方の窓からずっと交通…

20220213#刺さる短歌

木下龍也『天才による凡人のための短歌教室』より キスまでの途方もなさに目を閉じてあなたのはじめましてを聞いた (木下龍也・岡野大嗣 『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』所収) ペガサスは私にはきっと優しくてあなたのことは殺し…

憶えていたいことと忘れてしまいたいこと

お弁当や毛布などを配りに夜の街を巡回しているとき、今はボランティアで来てくれている元ホームレスのおっちゃんが不意に手書きのメモを見せてくれた。 「思い出したいことは思い出せず、忘れたいことは忘れられない」 という一節とその英訳が書かれていた…

一人でいることについて

大学に入って一人暮らしをしたら病んだ。3年生に上がって上京就職した彼氏と遠距離になった途端、家にひとがいない生活になってだめだった。わたしは一人がすきだと思って一匹狼を気取っていたけど、それは誰かといる時間が十分あった上でのことなんだと痛感…

20220208#刺さる短歌

『短歌ムックねむらない樹vol.5』2020年8月、書肆侃侃房より 子どものころ住んでた街のゆうぐれに立ち止まったら死ぬ気がするの (上澄眠『苺の心臓』青磁社) 丸くなれば顔にしっぽが触るってどういう感じなのか知りたい (兵庫ユカ「七月の心臓の栞」) 長…