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支援を仕事にしていると、たまにひどく感謝されることがあって、その構図が苦手だ。窮地にある人を国や自治体が用意した制度につないだだけであって、別に支援者が助けたのではない。使える制度が何もないような時にはNPOや関係機関で協力してインフォーマルな形でなんとかすることもあるけど、それは制度の不備の尻拭いでしかない。この仕事の中身は窮地に立たされてしまった人をそこから助かるようにすることで、細かいけど、助けることじゃない(忍野メメみたいなこと言ってる)。どんなどん底から助かったとしても、感謝なんかしても挨拶程度でいいから、心の中では中指を立てていてほしい。こんなことを当事者に願うのだってかなり勝手なんだけど。だからどちらかといえばわたし自身に言っている。「支援される人」にはわたしと、わたしの後ろに広がる社会に中指を立てられていると思えよ。むしろそう思わないと気まずいくらいでい続けろよ。この仕事で感謝されることに満足を得てしまうとしたら、その構図ごと、人間を軽んじる国家体制ににっこりと抱かれているわけで、そんな支援者はいない方がましだと思う。